「賃貸不動産管理業務に関するアンケート調査報告書」を公表 全宅連
(2005/11/11更新)
社団法人全国宅地建物取引業協会連合会(略称:全宅連、会長:藤田和夫氏)は、このほど賃貸不動産管理業協会会員を対象に行われた「賃貸不動産管理業務に関するアンケート調査報告書」を取りまとめ公表した。
調査の対象は賃貸不動産管理業協会の会員より3,622件で、有効回答数は1,112件(30.8%)。調査票を05年9月2日に送付し、10月3日までに届いた回答を集計した。
アンケートは「I.回答企業の概要」「II.不動産管理業務の現状」「III.賃貸管理業務制度の確立について」をそれぞれ調査。
「I.回答企業の概要」は、資本金規模は「1,000万円以上2,000万円未満」が最も多く38.9%。支店数は「無回答」を除けば支店がないことを示す「0店」が最も多く25.9%。従業員数は「3〜4名」が35.9%で最も多いが、平均は5〜6人。
「II.不動産管理業務の現状」の項目では、
1)賃貸物件管理の契約形態
貸主から管理を委託される場合「管理委託契約書による契約」が77.2%で、書面による契約が大多数を占めているが、「口頭による契約」も17.6%となった。
2)委託されている管理内容
(1)で「管理委託契約書による契約」と回答した人に、さらに貸主から委託されている管理内容についてたずねたところ、会計業務については、「未収金の督促」が93.8%と最も多く、「賃料等の請求及び徴収」88.7%、「清算報告書の作成及び報告」85.6%と続いている。
運営調整業務は、「近隣または入居者間の苦情及び対応」が93.8%、「建物・設備等の苦情相談及び現状確認」93.5%と並び、また、「各種苦情相談等に関する貸主への報告・協議」や「修理・工事の手配及び工事費用の調整・折衝」も9割を超えている。
清掃・設備管理業務で半数を超えているのは「建物共用部分・屋外部分の清掃」と「敷地内の植栽管理及び除草」の2項目のみで、他の業務に比べて相対的に少ない。
更新時業務で最も多いのは「賃貸借契約の更新手続」で約8割を占め、「入居者賃貸借条件改定手続」が73.9%と続き、「賃料等改訂時の敷金等の差額徴収及び支払いの代行」は58.1%。
解約・明渡し時業務は前記の各業務に比べ全体の比率が高く、「明渡し(退去)時の立会い」94.7%、「明渡し(退去)に伴う修理・工事等の手配」91.6%、「退去者への解約清算書の作成及び報告」90.8%、「明渡し(退去)時の意思の事前確認」90.6%と4項目が9割を超えている。
3)賃料等の請求及び徴収について
賃料等の集金方法については「自社銀行口座へ振込」が72.2%と最も多く、次いで「自社へ持参」が10.7%、「カード会社に委託」は3.7%にとどまっている。
貸主に送金するまでの期間は平均で「10.3日」となっており、内訳としては「6〜10日(1週間前後)」が過半数を占め、それより短い「1〜5日」が21.0%、若干長い「11〜15日」が16.2%で2週間以内が大部分を占めている。
集金賃料等について分別管理(自社会計口座と預かり金である集金賃料等用の管理会計口座を区別している)を「行っている」のは77.7%、「行っていない」は22.3%。
貸主に代わり敷金(保証金)を預かっているかどうかの設問では「預かっている」が27.7%、「預かっていない」が72.3%となった。敷金(保証金)の分別管理を「行っている」が82.3%、「行っていない」が17.7%だった。
4)管理手数料について
管理手数料を居住用・事業用・駐車場別にみると、居住用の全体平均は10.1%であるが「5%以上10%未満」が65.7%を占めている。事業用の平均は7.2%であるが「5%以上10%未満」が67.4%。駐車場は「5%以上10%未満」が67.4%を占め、「10%以上」が30.8%あるが「5%」が多いため、平均では7.6%となっている。また、会社全体の売上高に対する管理業の占める割合は「10%以上20%未満」が18.6%で最も多く、平均では26.4%になっている。
5)管理業務実績について
賃貸物件(居住用・事業用・駐車場)の管理業務実績について、居住用・事業用・駐車場別に管理棟数についてみると、居住用の平均は54.4棟で、「21〜50棟」が22.7%で最も多く、大部分は50棟以下である。事業用の平均は10.4棟であるが「1〜5棟」が57.6%と過半数を占め、大部分は10棟以下である。駐車場の平均は17.0箇所、6割以上が10箇所以下となっている。
管理戸数・台数は、居住用「101戸〜500戸」が38.3%で最も多く、平均は436.1戸。事業用は「1〜50戸」が84.9%と大半を占め、全体の平均は37.2戸。駐車場は「101〜500台」が39.2%で最も多く、平均は265.9台となった。
取り扱い物件について、居住用は「アパート」が85.1%で最も多く、「マンション」80.0%、戸建は67.4%。事業用では、「店舗」76.6%が最も多く、「オフィス」67.4%、「飲食店」54.2%(複数回答)となっている。
6)管理種別の割合
オーナーから委託を受けている物件の管理戸数と、自社所有物件の管理戸数の割合の平均は、居住用で、「オーナー委託物件」89.6%、「自社所有物件」10.1%。事業用「オーナー委託物件」85.2%、「自社所有物件」11.6%。駐車場については「オーナー委託物件」91.3%、「自社所有物件」7.6%となっている。
7)サブリース事業について
サブリース事業(管理会社等が物件所有者からアパート・マンション等を賃借〈サブリース契約〉し、自らが借主となって入居者に転貸する仕組み)を実施している事業者は全体の14.9%。実施戸数は「1〜10戸」が大半で、平均戸数は61.2戸、契約期間は「1〜3年」が最も多かった。
サブリースの賃料改定については、「定期的に改定」が43.3%と最も多く、改定周期は「2年」が過半数を占めているが、「3年」が23.0%、「5年」も9.8%あるため、平均の改定周期は「概ね4.4年」となった。
8)賃貸管理業の実態について
宅建業者でない者が賃貸管理業を行っている例を知っているかどうかでは、「知っている」が33.5%。「知っている」と答えた人にその業態をたずねたところ、「賃貸管理業専業」が53.5%、「宅建業以外の業務と兼業」が46.5%だった。また、賃貸管理業者が倒産に見舞われ、貸主や借主に被害が生じた例を知っているかどうかでは、「知っている」が43.5%にのぼった。
「III.賃貸管理業務制度の確立について」の項目では、賃貸不動産管理業務を確立するための法制度に関して66.5%の会員が「必要である」と回答。「必要である」と回答した人にその内容についてたずねたところ、「管理業に係る資格者の設置」が64.9%、「届出制度または管理業登録制度の導入」63.6%、「原状回復ルールの制度化」59.1%、「管理委託契約の書面化義務付」45.7%となっている。
また、任意の管理業者登録制度が創設された場合、「積極的に登録したい」「状況をみて登録する」を合わせると96.1%となり、多くの不動産会社が法制度の必要性を認識している結果となった。
今回の調査結果をもとに全宅連では、「管理業務の確立」について検討し、国土交通省に意見具申する。
●この記事に関するWebサイト
全国宅地建物取引業協会連合会
http://www.zentaku.or.jp/