東京圏のオフィス市場の「2010年問題」に関するレポート発表 ニッセイ基礎研究所、アトラクターズ・ラボ
(2002/06/12更新)
ニッセイ基礎研究所とアトラクターズ・ラボは、東京圏のオフィス市場の「2010年問題」に関するレポートを発表した。
それによると、東京23区のオフィスワーカー数は00年から10年間で5%減少すると予想される。07〜09年前後には団塊の世代の定年退職による大きな落ち込みが予測されるのがその理由で、これは最悪のケースで370万平方メートル、すなわち丸の内ビルディング23棟分に相当するオフィス需要が市場から消えることを意味する。これをオフィス市場の「2010年問題」として捉え、今後注意すべきである、としている。
このようにオフィス需要の拡大が期待できない中、新築大規模ビルの大量供給が起こるため、テナント誘致競争では大規模ビルを中心にゼロサムゲーム的展開が予想される。新築賃貸ビルのテナント営業は、既存ビルからの引き抜きが中心となるため、現在賃借しているオフィスの解約が新たなテナント募集フロアを発生させることになる。
賃貸ビルの場合、賃料単価の引下げで一人当たりの床面積が現在より5%拡大すれば、オフィスワーカー数の減少分が補完されるため、金額ベースで見た賃貸市場規模は縮小しても、オフィス需要自体は縮小しない。もしくは日本企業よりも広い執務室を確保する傾向のある外資系企業が増加すれば、賃料負担も高いことから、よりポジティブな効果が期待できる。また人手不足に直面した企業が、60歳定年の延長や、外国人オフィスワーカーの採用増を積極的に進めることにより、オフィスワーカー数の減少を軽微に止めることが可能とされる。
今後、建て替えや大規模改修による機能更新を促進したり、都市回帰する人口の受け皿としてオフィスビルの住宅用途への転換を進めれば、オフィスストック量の増加抑制効果が期待できる、としている。