「住宅政策への提言」を発表 日本経済団体連合会
(2003/06/17更新)
(社)日本経済団体連合会は、意見書「『住みやすさ』で世界に誇れる国づくり−住宅政策への提言−」を発表した。
土地神話が崩壊したことにより、土地の担保価値に着目した経済取引が成り立ちにくくなった。国民の価値観が多様化し、必ずしも持家に多額の資金を投入する人ばかりではなくなるなど、住宅を「資産価値」よりも「使用価値」で捉える傾向が強まっている。今後、住宅は個人が「占有」する「『不』動産」ではなく、「住み替え・住み継ぐ」ものとして社会全体で「『流動』化させる資産」であるとの意識を高めていく必要がある、としている。
「衣」「食」は相当程度満たされたわが国において、真の「豊かさ」を実感できるための政策目標として、「『住みやすさ』で世界に誇れる国づくり」を掲げ、住宅および住環境の整備に官民を挙げて取り組むべきである。その際重要なことは、わが国の住宅が既に量的に充足していることから、従来の住宅取得者に対する支援に加えて、住宅・住環境の質の向上に着目した政策をより一層重視することである。
借家に対するニーズも以前に増して高まっているといえる。リストラの一環として社宅を閉鎖する企業も多い中、転勤族を中心に賃貸住宅への入居のみならず、持家の賃貸化も含めて民間賃貸住宅へのニーズが高まっている。しかし、借家ストックは持家に比べて質の面で著しく劣っており、賃貸住宅ストックは広さや質の点において、利用者のニーズに応えられる物件が少ない。特に、ファミリー向けの優良な賃貸住宅ストックは、4大都市圏で著しく不足している。
賃貸住宅を住宅選択の際の選択肢の一つに加えていくためには、「狭い」「高い」といった賃貸住宅の現状を是正し、ファミリー向けの優良な賃貸住宅の供給を増やすことが必要である。今後はより一層、市場機能を活用した民間賃貸住宅を整備するための施策を強化すべきで、広さ、耐久性などの面で、一定以上の条件を満たす優良な賃貸住宅を供給する場合に、大幅な割増償却を認めるべきである、としている。その他にも高齢者の持家の賃貸化による賃貸住宅の供給、居住用財産の譲渡損繰越控除制度の延長・拡充、定期借家制度の見直し、高齢者向け住宅の整備などが挙げられている。