日本賃貸住宅管理協会が「賃貸住宅なんでもホットライン」の相談内容を発表
(2002/12/10更新)
日本賃貸住宅管理協会は、消費者からの電話相談「賃貸住宅なんでもホットライン」を、02年10月17日、18日の両日行い、このほどその内容の一部を発表した。これは毎年秋に、同協会が国土交通省等の後援によって開催しているもの。
相談内容の種目別集計を見ると、特に多かったのはやはり今年も「原状回復」についてで、68件を数えた(昨年は52件)。昨年の相談は「入居中だが、あらかじめ原状回復についての知識を得ておきたい」というものが半数だったのに対して、今年は、負担範囲や請求額が納得できないという具体的な相談が7割を超えた。目立ったのは、入居時点で中古状態の箇所(畳表等)の交換費用を請求されたというもの。同協会では、リフォームが不完全されていない物件に入居する場合は、その状況の証拠を残す(または、その箇所の修繕義務を免れるよう書面で合意する)ように気を付けたい、としている。
次に多かったのが「解約・更新拒絶」で、45件(昨年は24件)と急増した。貸主からの解約申し入れの理由は、息子夫婦等の親族を住まわせたいというものが目立った。親が「同居は望まないが、近くに住んでほしい」と考えるようになった世相を反映しているものと思われる。次いで多いのは、転勤留守宅の賃貸借。転勤期間が短くなったので約束の時期は来てないが明け渡してほしいというもの。これは長引く不況による企業の経費削減が背景にありそうだ。
騒音問題についても多く寄せられた。入居者同士の騒音をめぐるトラブルが10件に増加(昨年は4件)。夜中にCDを聴く、深夜に掃除機・洗濯機を使う、深夜に入浴する人がいて排水の音がうるさい等。単身世帯の増加に伴う、生活音の24時間化が影響しているものと思われる。単身者向けの物件(特に木造)は音の漏れるものが多い。生活音についてはある程度はやむを得ないとしても、他の入居者の生活も考えて、深夜の掃除・洗濯等はなるべく控え、相互に気を遣って生活するようにしたい。
また、今年は身勝手な相談も増加した。「上階の入居者がうるさかったので、天井を棒で突ついたら穴があいた。この修理は誰の負担か(そもそも、上がうるさいから悪い)」など。こういった相談も、最近の風潮を反映しているのでは、と同協会は分析している。
【 相談事例 】
●家賃は全室下げなければいけないのか<奈良県の家主(男性・31歳)>
賃貸マンションを所有しています。契約時期によって家賃は変わりますから、各入居者からいただく家賃の額も当然異なります。この度、「自分より1万9千円安い人がいるので、自分の家賃も下げてほしい」との要求があったのですが、これは応じなければならないのでしょうか。この理屈だと、全員の家賃を一番安いところに合わせなければなりません。
●入居者も保証人も家賃を払ってくれない<福岡県の家主(女性・40歳)>
ファミリー向けの賃貸マンションですが、ある入居者の家賃滞納が始まって3ヵ月になります。電話で催促しても、内容証明郵便を送っても、払ってもらえません。連帯保証人に連絡したら、保証人を降りたいと言われてしまいました。家賃を払ってもらうにはどうしたらいいでしょうか。また、連帯保証人は勝手に降りていいものでしょうか。
●上階から騒音、何もしてくれない家主<北海道の入居者(女性・30歳)>
上階の入居者が深夜に掃除機や洗濯機をかけ、毎晩うるさくて眠れません。深夜の掃除や洗濯は非常識だと思うのですが、家主に言っても何もしてくれません。どんな相手かも分からず、女性の私が直接注意するのも恐いです。どうしたらいいのでしょうか。
●退去時の畳替えは不要と約束してたのに<山梨県の入居者(女性)>
畳表を替えていない状態で入居し、その際「退去時には畳を替えなくて良い」と約束していました。しかし解約したいと連絡したところ、敷金6万円のほかに4万円を請求するとのことでした。内容は、ハウスクリーニングと畳の表替え。入居時は畳表だけでなく、ハウスクリーニングもされていなかったと思います。当初の約束は口頭のため証拠がありませんが、家主の言う通りに支払う義務があるのでしょうか。
●定期借家で契約、家主が中途解約を通告…<埼玉県の入居者(女性)>
転勤するという方から、2年間の定期借家契約でファミリー向けマンションを賃借しました。ところが、まだ入居から1年も経っていないのに、「転勤期間が短くなったので、すぐに退去してほしい」と言われました。なお、契約書には貸主からの解約の条項がありません。退去に応じる条件として、次の住まいの賃借に必要な費用と引越し費用を立退き料として要求したところ、「そんなには支払えない。今の部屋も礼金なしで貸したのだから、立退料を安くしてほしい」とのことでした。それであれば契約期間満了まで住んでいたいのですが、何か問題はありますか。