大家さん座談会(その1)
(2007-11-13 11:35:26更新)
家主業はサービス業。顧客(入居者)満足度を高めることが満室経営へ結びつく。
今回は「がんばる家主の会」の会員の皆さんにお集まりいただきました。賃貸経営を行うにあたって工夫していること、過去にあった入居者トラブルの対処法や、今注目されている保証人代行システム、「がんばる家主の会」の活動内容などについて語っていただきました。
大家さん読本(以下Oと省略):
まず皆さんの所有物件についてお伺いします。
松浦さん
松浦氏(以下敬称略):
大阪市生野区で鉄筋コンクリート造のマンション8階建てを1棟経営しています。築22年で、住居28戸、店舗3戸です。「がんばる家主の会」の主宰者です。
吉村氏(以下敬称略):
大阪府柏原市でマンション5棟、部屋数104戸所有しています。他に木造長屋が3ヵ所です。名義は分散しています。
吉村さん
柏元氏(以下敬称略):
滋賀県草津市、栗東市、大阪府柏原市、あと京都にちょこちょこと。借家経営を始めてから2回相続が起こっていますので、名義は一族に分散しています、分けてみんなで面倒見ているという形です。部屋数にして400戸、ファミリー向けからワンルームまで色々ありますが、なぜか2LDKというのはありません。
原氏(以下敬称略):
兵庫県尼崎市で、8戸の文化住宅1棟、6戸の鉄筋コンクリート造のマンション2棟、8戸の鉄骨ALCのハイツが1棟、全部で28戸です。
橋本氏(以下敬称略):
大阪府豊中市で、親族名義で6階建てのマンション1棟と、鉄骨ラーメン構造のアパート2棟です。相続の関係で管理しているのは30戸と8戸。残りの半分は親族がやっております。
家賃、保証金等の値下げ交渉は必ずある
柏元さん
O:
それでは最初に、最近の入居者の傾向をお伺いしたいと思います。
松浦:
私の地域限定かもしれませんけど、家賃、礼金、保証金を下げてくれという条件交渉が必ずありますね。言ってこない人はいません。ですから私自身が、募集の段階で「条件交渉は相談に乗ります」と言ってあります。不動産会社の人にも「その都度、携帯に連絡入れてくれ」と伝えていますので、携帯に「家賃をいくら、保証金をいくら下げて欲しい」と連絡がありますよ。それに対して、こちらが譲れるか、譲れないかですね。時期的なものもありますし。繁忙期はお客さんが多いので譲れないことが多いのですけど、閑散期の場合は仕方がないなと譲ります。そのままで1ヵ月空くよりは下げても1週間で入ってもらった方がいいですからね。
O:
家賃を下げて契約した場合、他の入居者との兼ね合いはどうされているのですか。
原さん
松浦:
うちは契約書に特約として、「家賃は口外しない、口外した場合は解約、もしくは何ヵ月分の家賃を違約金としていただきます」と入れているんです。そうすることによって、入居者に「うちだけ安くしてもらっているんだ」という意識が生まれますから他言しないです。これでかなり違ってきますね。
原:
うちも先週、家賃交渉がありました。1Kだったんですけど、元の家賃から2,000円下げて、さらにもうあと1,000円下げてくれと言われて 、それはさすがにだめだと断ったら、諦めて他に行ってしまいました。
橋本さん
橋本:
私は、値下げ交渉について、ある一定のラインを超えるようであれば、入っていただかなくてもいいと思っています。多少の家賃交渉にはもちろん応じますが、物件が自宅前にあるので、当然ご近所づきあいも出てきます。過去にも強引に家賃の値下げを言ってこられた方は、問題を起こす人が多かったんです。ちょっと音のうるさいバイクに乗っているとか、夜中に騒ぐとか…。それは本当に困るんです。うちはファミリー物件なんで、子供らが安全に暮らせて、被害に遭わない、そんな地域を作りたいと思っています。そんなことを考えていたら段々こういう方向性になってしまいました。
大家さんのこだわりで差別化、入居者の好みと合えば空室は埋まる
O:
賃貸経営をするにあたって工夫されていることがあればお話下さい。
原:
最近付けた設備では、防犯テレビモニターというのは費用が安い割りに効果が高い気がします。
松浦:
うちも防犯に関しては一番重視しているんです。ネット上で映像が見られるカメラを9台付けています。住居28戸、店舗3戸で9台はすごいなと言われるのですけれど。テレビドアホン、ダブルロック、ディンプルキー、バールでもこじ開けられないCP錠をつけています。それぐらい防犯には気を配っています。
あと、入居希望者が部屋に案内される時に、大体どこも同じような感じじゃないですか、賃貸住宅の部屋は。それで、差別化するために工夫をしています。
マンションの壁というのは大体白系統のクロスなんですが、LDKの1つの面のクロスを赤にしたんです。それからピクチャーレールやスポットライトを付けるなどの工夫もしました。あと造花を飾ったりとか。そういったもので部屋の雰囲気を変えると、「あ、ここは違うな」と思わせることができ、印象に残りますので、たまたま入居者の好みと合うと結構早く決まるということがあります。
O:
入居者が部屋を決める動機というのは、立場などにもよるのですけど、他と違う部分というのは大事かもしれないですね。私が今住んでいるところに決めたのも、サッシがアルミじゃなくて樹脂サッシだったんですよ。そういう機能的な部分にオーナーのこだわりを感じてそれでそこに決めました。
松浦:
そうところでもオーナーの考え方が分かりますね。
橋本:
うちがこだわったのは、フローリングにしなかったことです。あえてカーペット敷きにしました。うちはファミリータイプですから赤ちゃんや幼児が多いので、皆さん音を気にされます。フローリングだとどうしても物を落としたりとか、飛び跳ねたりすると、いくら遮音ボードを入れても下に音が響いてしまいます。そこでうちでは、フェルトのクッションを入れて、その上に十何ミリかのカーペットを全部敷いたんです。そしたらそれが気に入って入ってこられた人がいました。
あと、畳の部屋もあるんですけど、「赤ちゃんをちょっと寝かしておく時とか便利ですよ」と言ったらこれも「気に入った!」と(笑)。だから、人気があるからといって全部フローリングにするのではなくて、それを逆手に取ってもいいのかなと思いますね。大体4、5年から10年スパンで入居されるので、それだとまあ、元は取れるかなと。2年で出ていかれたら困りますけど(笑)。
(その2へつづく)