兵庫県神戸市東灘区・米家オーナー 震災による雨漏りで空室率が40%だったマンションがリノベーションで蘇る!
(2007-11-02 10:47:30更新)
今回は、今年の9月に兵庫県神戸市東灘区にある物件「灘ハイツ」のリノベーションを済ませたばかりの米家さんを訪ねました。
震災の影響で建物にダメージ、雨漏りひどく4割が退去
「灘ハイツ」外観
米家さんは大阪市西淀川区にある電気店「オームデンキ」を経営されています。5年前にお父様が亡くなられたのち、今回取材した「灘ハイツ」を含む合計3棟の賃貸物件を相続されました。
六甲ライナー魚崎駅と住吉川
「灘ハイツ」は、阪神本線、六甲アイランド線(愛称:六甲ライナー)「魚崎」駅から徒歩1分という便利な場所に立地しています。阪神の駅と六甲ライナーの駅の間には住吉川が流れており、春には川沿いの桜並木の下でお花見、夏には魚釣りや水遊びをする人で賑わうそうです。
「灘ハイツ」は、1970年築の4階建てRC造・総戸数20戸のマンション。1階に店舗2戸、地下に住居1戸、東側に住居9戸(1~4階)、西側に住居8戸(1~4階)があります。今回のリノベーションでは、東側の9戸の改装と、外壁の塗り替え、壁のひび割れ修繕、屋上にあった高圧電流の設備を撤去・引きなおし、縦管の取り換え、柱の補強を行いました。95年1月17日に起きた阪神・淡路大震災の影響で、地下駐車場を中心に大きな被害を受けましたが、幸い倒壊は免れ、補修工事を施すことでなんとか乗り切ってきました。
「5年前の相続後は本業が忙しかったため、管理会社に任せっきりにしていたんです。昨年、震災後にやった補修工事費の返済が終わったことと、雨漏りがひどいとのことで、初めて物件を見に行きました」(米家さん談)。震災後、補修工事をしたものの、当時の工事は人手が足らず、納得のいく内容ではなかったようで、建物のあちこちに不具合が出るようになっていたのでした。
雨漏りのクレームもあり、当然、退去される人も多くなり、昨年のこの物件の空室率は4割に達していました。そこで、雨漏りが激しかった部屋を含む東側の9室をリノベーションすることにしました。「リノベーション前は、東側には3軒しか入居されていなかったんです。そのうち1軒は雨漏りが止まらなかったので、迷惑料を支払いますという形で退去してもらい、1軒は西側の部屋に移ってもらいました。あとの1軒は滞納が100万ぐらいあったんですよ。もちろん、退去してもらいました。今はちょっとずつ返済してもらっています」 。
大阪生野共同組合に参加、勉強会で得た知識を元にリノベーション
元は和室の部屋だったものを全て解体、スケルトン状態にし、その時に躯体の状況を確認、必要に応じて補修も行いました。室内は、フローリングをはじめ、白を基調とした内装となっています。窓は、既存の窓枠に被せるカバー工法で新しいサッシに取り替えました。設備は、テンキーロック、テレビドアホン、システムキッチン、IHクッキングヒーター、シャンプードレッサー付き洗面台、追い炊き機能付き浴室、浴室乾燥機、人感センサー照明、インターネット無料接続など、入居者に人気のあるものをふんだんに導入、充実しています。「昨年からお世話になっている大阪生野共同組合で勉強させていただき、人気の設備を取り入れました。そちらで物件見学などもたくさんさせてもらったので、知識も増えましたね」 。また、米家さんは保証会社も積極的に活用されているそうです。「組合の勉強会でもみなさんがおっしゃっていましたが、やっぱり滞納の取立てなんかは、精神的にきついですからね。だから私は保証会社導入積極派なんですよ」。
まだリノベーション前の西側の部屋
また、米家さんは、10年前から独学でホームページの作成も手掛けておられます。今回の「灘ハイツ」や「塚本オームハイツ」といった所有物件のホームページは、「現地に行かなくても物件の詳細が分かるように」という思いで立ち上げたそうで、非常に分かりやすく紹介されています。「灘ハイツ」のホームページでは、入居を検討されている人だけでなく、入居された人に対しても、ごみ収集の案内や火災報知器が作動した時の対処法などを案内しています。
物件のホームページを開設したことにより、反響はどうだったのでしょうか。「ホームページからの問い合わせは2件あり、内覧後、そのうち1件が入居となりました。その他、仲介会社から仲介をさせて欲しいとの問い合わせが5件です。自分で仲介をお願いしたところが1件ですので、今は合計6件に仲介を依頼しています。取材の問い合わせも1件ありました。ホームページのアクセスや問い合わせ件数は想定通りありましたが、直接の入居をもっと取りたかったですね」。
その他、「エアコントラブル相談室」「簡単テレビ設置教室」「エアコンプロセンター」など、約30のホームページを自作運営されているとか。さすが、本業が電気屋さんということもあり、家電製品や電気工事関連の知識も豊富に持っておられ、今回のリノベーションでも、それをふんだんに活用されたようです。自作のホームページのうち、7つがヤフーカテゴリの登録サイトで、本業、大家業以外に、これらのホームページからの収入が「従業員一人分の給料と雑費ぐらいはあります」というから驚きです。
今回リノベーションした9室は順調に入居者が決まっているそうです。空室対策の一番の秘訣はやはりリノベーションということでしょうか。「そんなことはないと思いますよ。うちは雨漏りなどがひどかったので、大規模な工事になってしまいましたけど、やはりなるべくコストをかけないのが理想ですよね。空室対策といえるかどうか分かりませんが、今入っていただいている入居者が出て行かないように工夫することが大事だと思います」 。
現在は、残りの西側の部屋をどう改修するかを考え中とのこと。ご自分の物件に愛着を持ってご自分のできる範囲で最大限に努力されている米家さん。見事に蘇った灘ハイツは一際輝いて見えました。